2014年08月31日

誤審騒動から読み解く②


そもそも審判とは、

ある一定の客観性を持たせた主観から物事を判断し、

判定を行うもので、

そこには必ず主観が入ります。


準備段階として、判定の基準の明確化や

動体視力の訓練などがありますが、

いずれにしましても、

主観の壁を越えることは、大変に困難です。


それならいっそ、フェンシングのように

当たったらランプが点灯するなどの、

機械的な判断に責任を転嫁してみようか

ということになるのですが、

おそらく不可能だと思います。


銃剣道で、有効とされる技は、

剣筋が正しく、気剣体の一致した突きと、

残心による一連の動作であり、

極端なことを言えば、

有効な突き部位に命中していたとしても、

一本になるとは限りません。


気、剣、体とはなんですかと言って、

すぐ答えられる有段者も少ないですが、

「充実した気勢、確実な技倆(量)、正しい姿勢」

のことです。

一本とするには、これに加えて

木銃の突いた方向と、体勢の一致が剣筋となり、

突いた後も注意心を払って、対応できる構えないしは

相手の剣を制している。でないと

一本ではないという、

とっても大変な作業なのです。


一本か否かを判断する上で

実感として注意していることは、

実際のスピードで見たそれと、

スローモーションで見た場合とでは、

かなり違いがあるということです。


誤審、あるいは技を検証するときに

スローモーションにしてVTRをよく見ますが、

実際は等速で審判するわけですから、

等速での見た目で一本であるかどうかが、

判断する上では

正しいことになります。


詳しく見ていくと、そのくらいの違いがあります。


ということはつまり、後になってVTRなどで

誤審かどうかを見極めるには、

相当な注意が必要であるということです。


また、競技者の主観は、

審判員以上に、あてにならないことも

忘れてはなりません。


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記事投稿者: 掛川銃剣道連盟│読み物コメント(0)
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