2013年02月15日

銃剣道のルール(禁止行為⑥)

禁止行為は今回で最後です。



⑪「接近長し」

単純に、相手と近い距離でくっついているのが

長いと反則ですよ、ということです。

最新の規則では制限時間10秒以内に離れないと反則です。


短剣道には、入身制体という接近状態から

さらに展開する技がありますので、

この反則はとりません。



「不正握り」のところで取り上げましたように

木銃には、握って(持って)いい場所というのが決まっています。

かつては、間合(まあい)が近い接近状態になると

左手を剣先に近いところへ持ち替えることによって

かなり近い距離からでも突くことができました。


その逆もあって、いまは繰り突きによる

遠距離攻撃もできないので

より、間合をどうとって試合をするかが

重要なのです。


いつしか、遠くから飛び込んだり

密着状態からの技が減り、

暗黙の了解で、お互いの剣先が触れた状態から

技を出し合うスタイルに変化していきました。

それが民間から始まったのか自衛官からなのかは

定かではありませんが、いずれにしてもそのような

経緯もあり、必然的に技が変化すると同時に

審判の裁定によって試合者同士を離すことが

ほとんどなくなり、試合者自らがお互いの

呼吸で引き技などをつかって間合を切って

流れのある試合をするように指導されています。


具体的には、一方が離れようとしているところを

間合を切らずに追いかけて行った場合は

そちらの追いかけていった片方だけ反則。

お互いに離れなかった場合は両者同時反則となります。

試合者に指導と理解を促すために1度目を注意に

することもありますが、原則は1発反則の禁止行為です。


とは言っても、引き技をせずに油断して離れようとすれば

その隙を突かれてしまうわけで、きちんと相手の剣を警戒しながら

離れなければならず、また、接近状態や離れ際には

攻撃チャンスも多分に生まれやすいので

欲をかいたり油断することに、より気をつけなくては

ならなくなったルールでもあります。

10秒と言っても体感ではかなり短いので

日ごろの稽古から時間間隔を身につけておくと良いでしょう。



⑫「姿勢不良」

これはもう読んで字のごとく、姿勢が悪いことですね。

どういうことを姿勢が悪いというかといえば、

姿勢を崩して特に左腕で突き部位を隠すことです。

とは言っても、これは構えの状態のことを指し、

攻防の中で瞬間的に突き部位を隠すことはOKです。

小手高、極端な前傾などがこれにあたります。

ただし、ご年配で腰が曲がっている場合など

故意に突き部位を隠しているのでなければ

姿勢不良をとらないという見解が出ていますのでご参考に。


これが、短剣道では「姿勢・態度不良」といって

やはり極端に姿勢が悪かったり、態度が良くないと

反則になります。

だいたい、この期に及んで態度が悪いって

どういうことなんでしょうね(笑)




その他の禁止行為に入るもので、

試合中に喧嘩になって両者反則負けというのを

見たことがあります。

いろいろ事情もいきさつもあるのでしょうけど

カッとなったりしたときに、いかに冷静で居られるかも

とても大切な武道の精神ですよね。


競技というくらいですから、

勝った負けたや面子でなくてですね、

お稽古してきた技を競い合うことで勉強して

またさらに自分というものを磨いて欲しいものです。



次回はまたなにかやります!

リクエストもお気軽にどうぞ♪


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この記事へのコメント
お疲れ様です。
大変参考になりました。
投稿者: 森岡重夫 at 2023年06月09日 10:19
コメントありがとうございます。
いやあ、10年前の稚拙な記事で、読み返しましたらお恥ずかしい限りです。
10年後の今では手直ししたいところですが、一読いただけて幸いです。
そろそろ新しい記事も書かなくてはですね!
ありがとうございました!
投稿者: 掛川銃剣道連盟 at 2023年06月10日 00:08
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銃剣道のルール(禁止行為⑥)
    コメント(2)