2013年01月28日

銃剣道の用具シリーズ [小手編]

このシリーズでは、

ほぼ知られていない銃剣道の用具を、

その違いを通してマニアックな視点でご紹介します!

銃剣道の用具シリーズ [小手編]

公式表記に基づいて銃剣道の小手を分類するとこんな感じです。

写真の小手では「けら」の部分がないタイプですが、

もしあった場合は頭(かしら)に含まれます。

もちろん、武道具屋さんや他の武道では別の言い方をしていることも

多くあります。

銃剣道は左小手のみ、短剣道は右小手のみを使用し、

右小手の形は今のところ剣道の小手と全く同じものなので流用できます。


写真の小手は手の内革を一度交換してあるので

部品部品の色合いに差があります。


「臂廻(うでまわり)」とは、一般的に

小手布団(こてぶとん)と呼ばれる部分です。

臂とは、「ひ」とか「ひじ」と読むのがポピュラーですが、

その文字の解釈は様々で肩から肘だったり、

手首から肘までだったり・・・。

銃剣道用具の臂廻とは、手首から肘までの前腕を言うわけですね。

長さも様々ですが怪我予防のためには、

動きに支障が無ければ長いもの

薄ければ硬いもの、柔らかければ厚いものをお勧めします。


「綴り紐(つづりひも)」は臂廻の内側にある紐です。

結び方の作法も、普通は肘側から手首側に行ってから肘側に戻るのが

多いですが、反対に手首側から始まる作法もあります。

紐の端がお稽古でほぐれてみすぼらしくなるので、

あらかじめ縫い付けたり

結んでおくなどの始末をきちんとしておきたいところです。

銃剣道の用具シリーズ [小手編]

なんといっても最大の特徴は「瘤(こぶ)」です。

銃剣道では小手のこの部分に相手の剣が乗ることがとっても多いので

分厚く膨らんでいないと危険なのです。


技が下手だと小手を叩くこと、叩かれることがあるので

スポーツ外傷防止のためにも、力の弱い年少者や初心者同士はともかく

必ず瘤のある小手でお稽古、競技してください。

銃剣道の用具シリーズ [小手編]

こちらは、とある方の小手です(笑)

度重なるお稽古と修繕でフランケンになっていますね!

前出の小手よりも臂廻が短く、

頭と筒の間にナマコ形の「けら」があるタイプです。

銃剣道の用具シリーズ [小手編]

実はこれ、剣道の小手を銃剣道用に改造したものです。

けらがある場合、瘤はこのようにつきます。

直した箇所を見るとだいたいどの辺りに剣が来るか分かると思います。

見事に剣筋の延長線だけ無傷です。


こんなに膨らんでいても、間違って木銃できつく叩かれれば怪我をします。

ワタクシがしつこく小手を叩いちゃダメというのはそれです。


剣道小手を銃剣道用に流用、改造する場合選ぶべき小手は、

頭部分がなるべく全面革でできているほうが、

銃剣道のゴム製の剣先(タンポ)の衝撃および摩擦には向いています。

銃剣道の用具シリーズ [小手編]

ご自分で改造なさる場合は、筒と頭(もしくは、けら)を一度分解して

瘤の革の端を挟みこんで縫い付けるのが本当ですが、

分解しないで後付けする方法もあります。

当別館のメンテナンスで過去にご紹介いたしましたので

参考になさってください。


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