2009年06月20日

琥珀色の思い出

琥珀色の思い出

この琥珀色の液体が何であるのか、分かる者も

これから居なくなってしまうのだろうか。

そして、この琥珀色が乳白色になったとき、

おならのにおいがすることも。


六一〇ハップが製造中止になってから、8ヶ月が

過ぎようとしてはじめて、ワタクシはこの事実を知った。



「ムト~、ハップは良いハップ~♪」

子供の頃、夏が近づき”あせも”で苦しむことになると、

空気に触れて固形化した硫黄成分がこびりついた

ペットボトルのふたをサリサリと開けて、洗面器の

お湯に数滴垂らして、小さな温泉をつくる。


そのとき何故かこの歌をよく歌った。

ワタクシと似て記憶力の弱い母親に聞けば、

母親の父親、つまりワタクシのおじいさんが

歌っていた歌だという。


若い頃は”鬼”の異名を持つほどの厳しい人で

あった祖父は、同時に大変にひょうきんな人物でもあり

もしかするとこの歌は祖父の創作だっかたも知れないが、

おそらくはそういうCMがあったのだろうと思う。


ところでこの、六一〇ハップというシロモノは

元々はいわゆる温泉の元なのだが、単なる入浴剤とは

異なり、医薬品として夏はあせもや湿疹かぶれ、

冬はしもやけやあかぎれなどの治療に用いられ、

いわば家庭内湯治の元である。


詳しくは書かないが、昨今の誤用により製造中止に

追い込まれたこの琥珀色の効果を知る人々の落胆は

想像以上に大きいようだ。


事実、ワタクシもその1人で、確かに最後に薬局で

購入した時にはすでに店頭ではなく、サービスカウンターの

下でひっそりと販売されていた。


とどめとなったのは、なにを恐れてか薬局の組合が

販売を停止してしまったことだろう。

8ヶ月経った今もひっそりと販売されているだろうか?

ダメ元で聞いてみようか。

製造を止めた会社は、今年中に廃業が決まっているという。



我が家では、尾瀬のように「夏がくれば思い出す」

この六一〇ハップであるが湯船には入れず、

あくまでも洗面器で薄めて塗布するだけに使うため、

まだ数年は持ちそうだが、そのあとの夏は

思い出してもモノがないわけで。

想像するだけでも切ない。


こんな書き込みを見つけた。

「なくなってから、こんなにも愛されていたんだなぁと知ったよ。」


リンク:六一〇ハップの生産の続行を望む署名

(モバイル用)六一〇ハップの生産の続行を望む署名


同じカテゴリー(管理人の独り言)の記事
がんばらない③
がんばらない③(2015-01-26 18:20)

がんばらない②
がんばらない②(2015-01-26 09:59)

がんばらない①
がんばらない①(2015-01-26 09:57)

近況のご報告
近況のご報告(2014-07-30 06:47)


上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
琥珀色の思い出
    コメント(0)